iPhoneのアプリluminairの設定の手引
luminair(ルミネァ)は、iPhoneやiPodTouch、iPadのWi-Fi通信機能を使って
無線でDMX信号を送るアプリケーションです。
他にもDMXを送るアプリはありますが、ここではluminairに絞って解説をさせていただきます。とはいえ、一度ここでArt-Netの設定をしてしまえば、後は他のArt-Netで動くアプリも同じ設定で使えるかもしれません。(確認していません)
- ・luminairをインストールした、iPhoneもしくはiPodTouch(第2世代以降)かiPad
- ・無線LAN受信機
- ・Art-Net node(無線LANからDMXへの変換機)
- ・カテゴリー5以上のLANケーブル
このうち、Art-Net node以外は家電量販店で売っているので、ビックカメラやヤマダ電機辺りで簡単に揃ってしまいます。
luminairのアプリケーションはiTunesから有料でダウンロードする事になります。
ちなみに、
- ・無線LAN受信機はapple社の「AirMac express」
- ・Art-Net nodeはEnttec社の「EnttecODE」
の使用をそれぞれLuminairは推奨しています。
なのでこの手引きもこれらを使って設定するものとして解説しています。
(もちろん同様の機能がある別製品でも動作するはずです)
各販売先は今度UPします(現在2011年1月23日)
ENTTEC-ODEは他にも無料でダウンロード出来るPC用照明ソフト「Magic-Q」などにも使えますし、
使う用途のある方には持っておいても損のないものかもしれません。
luminairがあるとどのような事が出来るか
片手でDMX操作
iPhoneかiPodTouchは片手で持って操作できる大きさのデバイスです。
iPadだって調光卓やホールの照明機構にあるリモコンと比べてもかなり小さい方でしょう。
luminairをインストールしたこれらを使えば、首からぶら下げて携帯電話をいじるようにしてDMXのチャンネルを送り、シーンを再生する事が出来ます。
1人でフォーカス
例えば、ホールの1susのDMX回路をLuminairの1つのチャンネルにまとめておけば、iPhoneの指先の操作だけでサスの点灯チェックや仮シュートが出来ます。
また小劇場でシュート(フォーカス合わせ)をする際にも、脚立の上から簡単に回路を送る事が出来ます。
これは小劇場や人数の少ないホールの現場で、調光卓とやりとりをせずに、板の上や客席から自分で明かりを変えてシュートが出来るということです。
(送りの人がいるならいるに越した事はありませんが、その人もフォーカス要員に回れたら早い場合もあるのではないでしょうか)
用途は様々
また、私自身はシビアな本番環境で望むべくものではないとは思いますが、iPhoneを舞台上に設置して出演者自らタッチしてシーンを変えたり、簡単な明かりをON/OFFする事も可能です。
パッチ、調光、dim直送り、シーン、cue再生、LEDのRGB-MIXなどの機能を使い、様々な用途が考えられるものと思います。工夫次第で色々と面白いのではないでしょうか。
私は常に1:1パッチのデータを作っておき、主に上記の様にフォーカス合わせや回線チェックの際に使用しています。
本卓でオペレーターが集中して空データを打っている間にDMX回線をこちらへ差し替え、チーフがフォーカスの指示をしながらluminairで自らフェーダー上げをする、という使い方も出来るので、現場によっては重宝しています。 (dim:chの1:1パッチだとそんなにサクサクはいきませんが)
使う前に必要な基礎知識-(別に知らなくても大丈夫です)
- Art-Net
-
"DMX over Ethernet"とも言い、イーサネット(LAN、TCP/IP)上でDMX512のデータを何系統も扱える規格です。詳しくはこちらhttp://products.iseab.com/artnetに載っています。
- LAN
-
ローカル・エリア・ネットワークの略で、大まかに言うと「インターネットに繋がっていない所でのコンピュータ機器同士のネットワーク」の事です。またインターネットを介さなくてもLAN接続した機器同士で通信が出来ます。
- Wi-Fi
-
いわゆる無線LANの事なのですが、無線LANで使われる電波には幾つか種類があるため、今まで互換性が保障されていませんでした。Wi-Fiというのはその互換性を保障した無線LANの中の規格のことです。
- node(ノード)
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LANを介して送られてきたArt-Netの信号をDMXへと変換する機器。(ここではEnttecのODE)
Art-Net接続のやり方の解説
最初は何の事か分からないと思うのですが、とりあえず次のページから極力分かりやすく説明させていただきます。
小難しい単語は極力使わないように、あまりLANやArt-Netの事を知らなくても設定出来る様にと心がけました。専門家、詳しい方からのご指摘がありましたらお待ちしております。
まずはENTTEC ODEの設定からです。
1・node(ENTTEC ODE)の設定へ | 2・Airmac expressの設定へ | 3・iPhone/Luminairの設定へ